2024年12月 5日(木)〜 6日(金)に東北大学医学部艮陵会館およびオンラインでのハイブリッドで開催された第17回インターネットと運用技術シンポジウム (IOTS2024) の開催報告および今後の論文募集、イベント予定などを以下にまとめてお知らせします。
IOTS2024 開催報告
今回のシンポジウムは、昨年に引き続き現地開催で、情報交換会も開催しました。また、口頭発表のみオンラインでも配信するハイブリッド開催となりました。論文発表は9件、ポスター発表は17件集まりました (口頭・ポスターともに査読あり)。特別セッションとして、東京農工大学の山井成良氏の司会で、パネリストとして、ユニアデックス株式会社の高橋優亮氏、CO-CONV株式会社の丸山伸氏、広島大学の西村浩二氏をお招きして、安東孝二先生の足跡を振り返り、残された我々が目指す運用管理について考えるセッションが行われました。
企業協賛ですが、24社の企業様からのご出展をいただきました。シンポジウムでお馴染みの企業協賛の冠賞は、今年もアラクサラネットワークス株式会社様がスポンサーとして名乗りをあげて下さいました。昨年に引き続き、企業展示セッションを2セッション設け、現地での企業展示は盛況となりました。
参加者は、現地参加179名、オンライン参加9名でした。現地参加者の内訳は、一般参加者 90名、出展企業参加者は89名でした。現地ならびにオンラインでご参加いただきました皆様、ご協賛頂きました皆様、ありがとうございました。
研究会終了後には、以下の各賞が表彰されました。
- 優秀論文賞
- (3) メール送信サーバの集約における透過型SMTPプロキシの定量評価
◯小田 知央 (さくらインターネット研究所), 嶋吉 隆夫 (岡山大学), 笠原 義晃 (九州大学)
- (3) メール送信サーバの集約における透過型SMTPプロキシの定量評価
- 優秀プレゼンテーション賞
- (8) キャンパスネットワークにおける不要な機器設定の自動検出に関する試み
◯中村 遼 (東京大学)
- (8) キャンパスネットワークにおける不要な機器設定の自動検出に関する試み
- 優秀ポスター賞
- (20) マルチモーダルな情報を活用した LLM によるフィッシングサイト検知手法の提案
◎吉田 蓮 (東北大学), 和泉 諭 (仙台高等専門学校), 菅沼 拓夫 (東北大学)
- (20) マルチモーダルな情報を活用した LLM によるフィッシングサイト検知手法の提案
- 優秀学生賞
- (4) NPTv6を用いたIPv6サイトマルチホームにおけるエンドホスト単位のトラフィック制御手法の提案
◎横尾 和真 (広島大学)
- (4) NPTv6を用いたIPv6サイトマルチホームにおけるエンドホスト単位のトラフィック制御手法の提案
- 学生奨励賞
- (2) Kubernetes 環境におけるコンテナイメージ共有化を用いた コンテナライブマイグレーション機能の実装と評価
◎出口 弘大 (京都工芸繊維大学) - (5) 研究不正防止を目標とするロール機能およびプログラミング環境連携機能を備えた研究データ管理システムの開発
◎米倉 悠貴 (信州大学) - (6) 分散型ネーミングサービス Handshake に登録された ドッペルゲンガードメインの定量的調
◎吉田 純一 (立命館大学) - (11) W3C VC を用いたデジタル学生証発行システムの試作と評価
◎糸川 諒 (九州大学) - (12) サービス監視システムに対するカレンダー情報を盛り込んだ仕組みの一検討
◎木村 仁士 (京都工芸繊維大学) - (15) 音声変換がオンライン会話におけるコミュニケーションに与える影響測定環境の試作
◎小山 真実 (京都女子大学) - (16) マルチホーム環境における通信高速化のためのQUIC トンネルと SDN を用いたサーバ側通信の多重化
◎川名 智也 (東京農工大学) - (17) CTF 参加者の試行過程の抽出と理解度分析方法の提案
◎遠藤 裕太 (明星大学) - (19) 長期・短期トラフィック比較によるスロースキャナの抽出
◎鹿内 嵩天 (東北工業大学) - (20) マルチモーダルな情報を活用した LLM によるフィッシングサイト検知手法の提案
◎吉田 蓮 (東北大学) - (21) DNSSEC 検証失敗時におけるフルサービスリゾルバーの復旧手順に関する一考察
◎大本 和輝 (筑波大学) - (22) 分散協調型の SD-WAN アーキテクチャの検討
◎當山 達也 (京都工芸繊維大学) - (23) クラウド化による再配布可能な情報 II 演習環境の構成法
◎大橋 蒼葉 (明星大学) - (24) 短命なドメイン名分析のためのデータ収集法の検討
◎矢部 瑞乃 (筑波大学)
- (2) Kubernetes 環境におけるコンテナイメージ共有化を用いた コンテナライブマイグレーション機能の実装と評価
昨年と同様に、出展企業様にネットワーク機器のご提供を受け、会場ネットワークの構築を行いました。LANケーブルの作成やネットワークスイッチの設定、無線LAN APの設定などを学生の方に携わって頂きました。また、京都工芸繊維大学 桝田秀夫様、京都女子大学 中山 貴夫様によってポスター発表のオンライン配信も実験的に取り組んで頂きました。
最後となりますが、PC長を務めていただきました熊本大学 久保田真一郎様、LA長の東北大学/仙台高等専門学校 和泉諭様、ならびに企業展示担当の群馬大学 小川康一様、大阪教育大学 三島和宏様、ネットワーク担当のトヨタ自動車株式会社 金子直矢様、京都女子大学 中山貴夫様には多大なご協力をいただきました。この場を借りて心から御礼を申し上げます。
今後の研究会・シンポジウム(IOT関連)
2024年度第 4 回 (IOT 通算第 68 回) 研究会
- 2025 年 3 月 3 日 〜 5 日 @アマホームPLAZA & オンライン ハイブリッド開催
2025年度第 1 回 (IOT 通算第 69 回) 研究会
- 2025 年 5 月 29 日 〜 30 日 @奈良市内 & オンライン ハイブリッド開催
今後の研究会関連イベント(IPSJ関連)
情報処理学会全国大会
- 2025年 3月13日(木)〜15日(土) @ 立命館大学 大阪いばらきキャンパス(大阪府茨木市)
推薦論文制度のお知らせ
研究会やシンポジウムで発表された優秀な論文の論文誌への投稿を促す制度で、6ページ以上の論文10件に対して1件以内の論文が次年度5月頃に推薦されます。
著者のメリットとして、推薦論文であると明記されること、推薦文が掲載されること、採択率が高いこと、および推薦理由および論文化へのアドバイスがもらえること(アドバイスであり採録条件ではありません)が挙げられます。査読は通常と同様に行われ、必ずしも採録されるとは限らないことを申し添えておきます。